小学5年生の障がい者を救った名もなきヤンキーの実話。「お前は俺の舎弟だ。いじめられたらすぐ俺に言え」

これは実話である。

学校では不良だ、邪魔だと言われ続けたヤンキー。

しかし、そのヤンキーこそが小学5年生の障がい者を救っていたのだ。

これはその障がい者の姉が打ち明けた実話である。



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15歳までしか生きられない小5の障がい者

私の弟は小学5年生のとき、「15歳までしか生きられないだろう」と医者に言われました。

弟は脳疾患持ちで、合併症だったのです。

脳の病気です。

11歳だった弟に、15歳までしか生きられないという現実はなかなか伝えられませんでした。

 

しかし弟は、小学校では特別教室ではなく、普通のクラスに入りたいということで、障害がありながらも、無理を言って普通学級に編入させてもらったんです。

私は姉として心配でした。

小学校は、障がい者というだけで簡単にイジメが起きてしまう

弟がいじめられるのではないか、ただそのことが心配だったんです。

 

ヤンキーのケイタくんという友達が弟にできた

そんなとき、弟に同級生のケイタくんという友達が出来ました。

ケイタくんは家庭内に事情があります。

小学5年生のケイタくんはヤンキーで、もうすでにタバコを吸っているような不良生徒でした。

ゲームセンターにも入り浸り、先生からはどうしようもないヤンキーだと見放されていました。

 

そんなケイタくんが、なぜか弟の面倒だけは見てくれたんです。

しかし、ケイタくん以外の小学生たちは残酷なもの。

クラスの中に呼吸器をつけた障がい者がいれば、あっという間にイジメの対象になります。

弟は、男の子からも女の子からも、陰湿なイジメを受けました。

 

しかし、それはケイタくんが弟のそばにいないときだけでした。

弟は姉である私にこう言いました。

「ケイタがね、『いじめられたらすぐに俺に言え。お前は俺の舎弟だからな』って言ってたんだ。

でも舎弟ってなんだろね。子分のことかな?」

弟は家に帰るといつも嬉しそうに母と私にそう言っていました。

ケイタくんは弟のことをいじめっ子たちから守ってくれていたんです。

 

修学旅行に行く途中でも、弟がそそうをしてしまったときに、一斉にはやしたてた他の小学生に構わず、ケイタくんはシモの世話までしてくれたんです。

小学5年生の男の子がです。

しかも、先生にはヤンキーだ不良だと忌み嫌われているタバコを吸うようなヤンキーの男の子がです。

私にはケイタくんが悪い子だなんて思えませんでした。

このことを聞いた時、私は涙が止まりませんでした。

ケイタくんには会うことはありませんでしたが、ありがとうと、泣きながら心のなかで繰り返し想いました。

 

ケイタくんはその後さらに不良に

無事に小学校を卒業した弟が養護学校に入ると、ケイタくんは一層気合いの入った不良になってました。

だけど、弟の養護学校が開催するバザーに来てくれたり生徒たちによるフォークダンスへの参加さえもしてくれました。

こんなに心の優しいケイタくんがなぜ不良と呼ばれているのだろうと思いました。

 

ケイタくんはその後、16歳のときに警察に連れて行かれ、噂では少年院に入院したとのこと。

それから東京に行ってしまったとも聞きました。

とにかく、ケイタ君とはそれっきりになってしまったのです。


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弟が永眠しました

15歳までしか生きられないと言われていた弟は、28歳まで生きることが出来ました。

弟が死んだとき、28歳の短い生涯を象徴するように、身の回りの持ち物は極めて質素なものでした。

そんな所持品の中に、きっと弟が大切にしてたであろう木箱がありました。

 

 

その中の木箱を開けたときに、母も私も胸しめつけられる思いに陥り、涙が止まらなくなったのです。

 

木箱の中には、弟の宝物がいくつか入っていました。

一枚の写真と数通の手紙は、薄紙で包まれとりわけ大切そうにしまいこんでありました。

写真は、弟の養護学校時代のものです。

弟の隣に寄り添い、腕を組み、カメラマンにガンを飛ばす金髪少年が写っています。

 

ケイタくんは、私達が知らないときにも弟のいる養護学校に訪ねてくれていたんだ。

そして、手紙はいずれも短い文章のものばかりでした。

 

 

「おまえはいつでも俺の舎弟だ」

とか

「早く元気になれ、ドライブに連れってやる」

とか

「寂しくなったらいつでも言え。すぐ俺が来る」

とか、どれもこれもがつたないけど

弟を強く励ます言葉です。

 

私と母は、そのケイタくんからの手紙を呼んで、泣き崩れました。

ケイタくんの手紙を弟が一番大事にしていた。

弟はケイタくんに支えられていたんです。

そして、ケイタくんは障がい者でイジメられていた弟のことを、自分の舎弟だと、面倒を見てくれていたんです。

 

ケイタくん。

あなたは今、どこにいるのですか?

幸せに暮らしていますか?

本当にありがとう。

私はあなたにまた会いたいです。

そして、あなたの手を握りしめたいです。

 

どうか、この想い、届きますように。

ケイタくん、ありがとう。