島田秀平の怖い話「階段が十三段のアパート」

恐怖


という音が聞こえるんですよ!」

 

この話を聞いて、

島田は引っ越した方がいいと言ったらしいが、

後輩のAはお金がなく、

引越しなど到底できるはずもなかったため、

とりあえず住み続けることにした。

 

再び島田に電話がかかってきたのは、

住み始めてから13日目の朝であった。

 

住み続けるのはムリ!

「島田さん!おれこれ以上ここに住み続けるのは無理です!

マジでやばいです!

今日のうちに引っ越そうと思うんで手伝ってくれませんか?」

 

明らかに様子のおかしい後輩Aに島田は

「どうした?なにがあった?」と聞いた。

 

後輩Aによると、

毎日深夜2時22分になぜか目を覚ます日が続いていたという。

 

しかし子供のにぎやかな声が聞こえるだけで

危険を感じさせるものではなかったため

それほど気にはしなかったのだとか。

 

だが気になるのはいつも最後にコツン・・

と聞こえる音の方。

 

しかも毎日一つずつ音が増えていったという。

 

ここで後輩のAはあることに気付いたのだ。

 

最後に鳴る「コツン・・」という音、

これは階段を登ってくる音なのだと。

 

毎日一段ずつ登ってくるということは、

ちょうど2週間で部屋にたどり着く、

だからみんな2週間持たずに出て行ってしまったんだ……。

 

子供の声が・・・

「それでも子供の声がし、

まぁいいかなって思ってたんですけど、

昨日は明らかに大人の声で唸るような声を上げたかと思うと、

ドドドドと階段を駆け上がってきて、

俺の部屋のドアをドンドンドンと叩いたんです!

 

今日もしあいつが来たら、おれどうなるか分かりません!

お願いします手伝って下さい!」

 

「分かった!他の芸人にも声を掛けておくから急げ!」

 

そう言うと、

島田は電話を切って集められるだけの芸人仲間を集め、

お寺の御札やお守りを手にAのアパートへ行った。

 

しかし、

引越しの作業に思いのほか時間がかかり

その日に終わらせられるか微妙だな・・

と感じ始めた午後7時、

いきなりバン!という音と共に電気が切れた。

 

主電源が落ちたのかと思い、

ブレーカーを上げるも電気は付かない。

 

と、その瞬間、急にAがもがき苦しみ始めたのだ。

 

苦しそうにうめき声を上げるAに「大丈夫か!?」

と島田が呼びかけても返事がない。

 


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